カメラ小僧るーしーず わーるど
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自由気ままに様々な場所で興味を持ったものを被写体にしている超マイペース小僧です。



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桜の雨やどり



sakuranoamayadori 20

     
   初春の空に梅の妖精が大きく羽ばたいた、晴れた日の午後…























sakuranoamayadori 01


       
    木蓮は、身にまとっていたベルベットのコートをためらいがちに脱ぎ捨てて…



























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    中春の初めの1ページを白い押し花で飾った。
























sakuranoamayadori 04


 それに負けじと、深呼吸で春の香りを吸い込み、私は蕾を大きく膨らませた。


























sakuranoamayadori 05

 
   やがて開いた数輪の花をみて、道行く人の口元もほころんでいく。


























sakuranoamayadori 09

 
 
 そして、花びらがおしくら饅頭を始めると、私の周りにも大勢の人が詰めかけた。

  



























sakuranoamayadori 06


   だけど、あの子が訪れるのは、きまって人が減った夕暮れどきだった。 






























sakuranoamayadori 10


 あの子は、私の花をじっと見上げ尽くすと、幹に小さい手を添えて、「がんばれ、がんばれ。」と

 そっとつぶやいて帰って行く。



























sakuranoamayadori 08


  そして、何故だか、あの曇りの木曜日は、いつもよりも長く私を見つめて、

  帰り際には、何度もこちらを振り返り、名残惜しそうな足取りで去って行った。































sakuranoamayadori 11


  あの子も帰り、夕陽も沈んだあとで、私は枝に傘の忘れ物があることに気付いた。

  届けれるものならば、あの子に返したいが、身を動かせぬ私は為すすべがない。






























sakuranoamayadori 12


 どうしようもなく、次の日を迎えたが、運の悪いことに、夕方まで雨が降り続き、

 私は、あの子が濡れていやしないかと、気になって仕方がなかった。

 ようやく、雨が止み、夕陽が私の花の雫を乾かしきったころ、あの子が笑顔でやってきた。



























sakuranoamayadori 18

  
  それを見て、私はようやく、あの子が、この雨で花が散らないようにとお守りをかけて

  くれていたことに気付いた。 

  ありがたいことに、あの子の優しさの傘に雨宿りしたお陰で、私の花は何とか持ち

  堪えれた。

  


























sakuranoamayadori 14
 
  
   それまで人を喜ばせることしか知らなかった私が、生まれて初めて嬉しさで身が熱くなった。

   あれは、これまでの人生で一番の陽だまりに照らされた瞬間だったと今でも思う。





























sakuranoamayadori 13


  そして月日が流れ、あの子の人生の何ページかに、私の若葉の栞(しおり)が挟まれて

  迎えたこの春の日に、



























sakuranoamayadori 15

 
    
    あの娘は二十歳の誕生日を、私とお揃いの帯で飾った。

   


























sakuranoamayadori 17


   私は心の中で、美しく花開いたあの娘をそっと抱きしめ、つぶやいた。 


























sakuranoamayadori 19


   もしも、これからの人生で、心の傘が折れそうな激しい雨が降るときは…



































sakuranoamayadori 16


   迷うことなく、大きな私の花傘に、そっと、雨やどりにきてほしいと…。








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