カメラ小僧るーしーず わーるど
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自由気ままに様々な場所で興味を持ったものを被写体にしている超マイペース小僧です。



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酷暑お見舞いもうしあげます



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  みんな、こんにちは。 あれから三か月が過ぎ、僕の体はこのスイカで圧死することがないくらい

  大きくなったよ。




















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   でも、僕のおつむは、この下駄のような音がして、まだまだ中身が詰まってないらしい…
























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   だから、今日の昼ごはんには、脳みそへの血管を増やすためのレバニラ炒めと、
























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     おつむの中身が腐らないように鯛のカブト煮を食べました。


























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  初めて食べたニラは歯に挟まり、鯛は骨が乳歯の間に刺さり、骨の永久歯が沢山できました。

  明日は歯医者に行かなければならないけど、このスイカのように中身の詰まった立派なおつむを

  作るためには我慢します。


  だから、スイカさん。 教えてよ。  僕の食べごろはいつですか?







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みっちゃんのかくれんぼ






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  夏の日差しで黄金色に焼けた草むらを見ると、僕はみっちゃんとのかくれんぼを思い出す。

  今でも、あの草むらの中でみっちゃんが僕に見つけてもらうのをじっと待っているような気がする。























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  みっちゃんは、僕の通っていた小さな学校に夏を連れてやってきた季節の転校生やった。























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   なにげに廊下の蝶の標本を見つめている僕に、はじめに話しかけてきたのはみっちゃんやったね。

   「うちには、昼間は芋虫のように布団にくるまって眠り、夜になると蝶に変身して出かけていく

    お母ちゃんがおるんよ。」 と、小さく笑ってつぶやいた。


























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  みっちゃんは、自分は夜の蝶に連れられて各地をまわっているサナギやって言いよったね。

  あの時の僕は、夜の蝶もサナギの意味もわからんかったけん、ただ、底抜けに明るい

  みっちゃんの大きな黒い瞳ばじっと見つめとった。






















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 けれども、あの日の放課後に、みっちゃんが被っていた殻を僕は破ってしまった。

 誰もいない音楽室から流れ来るピアノのメロディーに混じり聴こえてきたみっちゃんの歌声、

 
 「 悲しみが生まれたら、誰にも見つからないように、涙の鍵をかけて心の引き出しにそっと

   しまおう~ 🎵  誰も知らない涙の鍵は決して開けることは出来ないし 🎵
 
   心の引き出しは悲しみの分だけ用意されている ♬   

   だから、悲しみが増えることを恐れずに、ただ静かに涙を流せばいい~🎶  」
 
   
   僕の存在に気付いて、振り返ったみっちゃんの頬には、掛けたばかりの涙の鍵と

   口元にはにえくぼと共に悲しい笑みが浮かんでいた…。


























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 その日は夏休みに入る終業式で、その夜からみっちゃんは用務員をしている僕の父ちゃんの

 部屋に僕と一緒に泊まっていくようになった。 

 























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 なんの飾り気もない小さな用務員室でも、みっちゃんにとっては、未知の世界やったね。 

 喉が渇いたみっちゃんが、冷蔵庫を開けたときに、「うちんとこには、スーパーのパックに

 入ったおかずしかないのに、こん中は、野菜や果物や卵がそのまんま入っとって、

 八百屋のようで楽しか。」 って、口にしたんを覚えとるよ。


























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  寝るとこも押入れの中やったけど、 「はじめて二段ベッドで寝れると。」 って喜んどったね。

  僕は上の段に居るみっちゃんの悲しみの引き出しが増えることが心配で、寝息が聞こえるまで

  みっちゃんに話かけ続けた。

























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 僕に見つかってから音楽室には行くのを止めたみっちゃんは、昼間は図書室にこもって本を

 読みふけるようになった。  

 僕はただ、みっちゃんの心の引き出しが悲しみの入る隙間もないほど本の世界で埋まって

 欲しいと思うとった。

























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  その日から、夕方にみっちゃんを図書室まで迎えに行くのが僕の役目になり、それまで

  夜の語り部だった僕にかわり、みっちゃんが、その日に読んだ本の話を聞かせて

  くれるようになった。 

  みっちゃんの話しは僕の話と違って、人間以外の色んな登場人物が出てきて、

  毎晩きくのが楽しみやった。

























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  そんなある晩、夜中にふと目を覚ますと、上の段にいるはずのみっちゃんがいなくて、僕は驚き、

  心の底から声を絞り上げて、暗闇の廊下を 「 みっちゃん~、どこにおると~!」 と叫びながら、

  かくれんぼしたみっちゃんを捜して歩いた。
  
  ようやく、見つかったみっちゃんは、トイレの中で独り、声を立てずに泣いとった。

  「 みっちゃん、みいつけた。」 と声をかけた僕に、ウサギのような赤い眼とあの時のように

  悲しい笑みを浮かべて振り返るみっちゃん。

  僕はそんなみっちゃんの冷たい手をぎゅっと握りしめて部屋に戻った。



























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  あくる朝のみっちゃんは、いつものように黒い眼に戻り、 「 昨日は勝手にかくれんぼ

  してごめんね。 今まで何度も独りでかくれんぼしよったけど、うちのことば見つけてくれる人は

  おらんかったけん、見つけてくれた時は本当に嬉しかったと。 」 と言い、僕の手を優しく握った。  

  その手が温かかったので、僕は少しだけ安心した。
























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  その日から僕はみっちゃんと一緒に図書室で本を読むようになった。

  それまで、本嫌いやった僕はみっちゃんのおかげで本のとりこになった。

  夜も押入れの上の段に二人並んで寝そべり、手をつないで本の話に花を咲かせよったね。























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 そんな夏の日が終わるころ、みっちゃんは僕にさよならも告げずに、お母さんと二人で街へと

 去って行った。

 独りとり残された僕は悲しみでやりきれずに、大声をあげて泣いた。

 
 みっちゃんには悪いけど、僕はこの大きな悲しみを心にしまうことは出来んかった。


























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  あれから大人への道を歩み始めた僕の心の中には、ずっと、みっちゃんとの思い出の

  引き出しがある。






















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 そして、日々めくった人生のページには、みっちゃんが前もってしおりを挟んでくれた悲しみがあった。

 その悲しみに出会う度に、僕は独り枯れたような声を出して泣いた。 

 声をあげて泣きながら、僕はみっちゃんが鍵をかけた悲しみの引き出しを一つずつ開けていった。

 みっちゃんが隠していた悲しみを見つける度に、僕よりもずっと大人だったみっちゃんの存在を想い

 余計に切なくなった。


























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   あれから20年の月日が経ったが、みっちゃんは、陽の当たる大人への階段を無事に昇ることが

   出来ただろうか?


























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  みっちゃん、僕は今、君に伝えたいことがある。  

  それは、みっちゃんが幼い心に隠した悲しみを全部見つけて引き出しが空っぽになったことだ。  




























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    だからもう、かくれんぼは終わりにして、僕のところにところに出てきてくれんね、みっちゃん。

























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 そして今度は、僕が用意した喜びの引き出しをみっちゃんの向日葵のような笑顔の鍵で開けて欲しい。









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